Agile（アジャイル）において、チームはプロジェクトの成功を協力して達成するために、スクラムまたはカンバンといった2つのプロジェクト管理方法論の中から選択することができます。どちらも製品の効率的なデリバリーを優先し、線形の進行パスを追うのではなく、反復的なアプローチを採用しています。

カンバンとスクラムには実務面で多くの違いがあります。リーダーたちがスクラムを提案する一方で、他の人たちはカンバンのメリットを生かしたいと思っているかもしれません。ではどうやって、どちらが本当に適しているか見極めますか？

この記事では以下のトピックをご覧いただけます。本記事は特にIT部門以外の方にもとっつきやすく、また大企業でもアジャイルを採用すると良いシチュエーションを判断するヒント等をまとめました。

Scrum（スクラム）とは？

スクラムは、アジャイルプロジェクト管理フレームワークの一つです。 ・チームの目標を達成するために反復的なタスク完了に焦点を当てている ・要件が複雑なプロジェクト向き ・開発側と発注側の協力・チームワークを促進し、ワンチームで開発をすすめられるよう仕組み化された管理手法

スクラムでは、チームは「スプリント」といわれる一定の期間に区切りながら、開発や議論を進めていきます。初めに成果物のリスト一覧である「バックログ」を作り、そのうちのいくつかを選んで、1スプリント内で開発を完成させていきます。

スクラムの中では何をやっているのか、分解して見てみましょう：

スクラムのタイムライン

• スクラムでは、1スプリント（基本的に2週間）を一つの開発サイクルとし、開発に取り組みます。

• チームは最初に「スプリント計画ミーティング」を開催し、２週間で開発可能な項目、優先して開発すべき項目をバックログの中から選びます。

• 開発が始まると、チームは毎日10分ほどの進捗共有会議を開催します。これはデイリーハドル、スタンドアップミーティングなどと言われます。進捗や障害を確認し、スプリントの目標を達成できるように全員の状況を確認します。

• 1スプリントが完了したら、チームはスプリントレビューミーティングを開催します。 メンバーが開発したもの＝「成果物」をクライアントに発表し、フィードバックや承認をもらいます。スプリントの振り返りと、次のスプリントの計画も行われます。

成果物のリリース頻度

• 成果物は各スプリントの終了時にリリースされます。 1スプリントの期間内で未完了だったタスクは、次のスプリントに追加されるか、優先度が低い場合はバックログに戻されます。

スクラムの役割

スクラムの特徴的な役割といえば「スクラムマスター」と「プロダクトオーナー」です。

• スクラムマスター チームの管理に責任を持ちます。プロジェクトが予定通り進むよう、チームの動機づけと効率を管理することが多いです。

• プロダクトオーナー 製品、品質の責任者です。バックログ（成果物のリスト）を管理し、製品の要件や優先して開発した方がいいものの順番を判断します。 プロダクトオーナーは自分が決めたタスクの優先度をもとに、チームメンバーに作業を割り当てます。

スクラムの主要な「指標」

スクラムでよく使われる指標には、以下のようなものがあります。

• チームの速度

• スプリントバーンダウン

• 作業量の推定の分散

• スコープの変更

• ディフェクトの漏れ

スクラムにおける「計画変更」

計画の変更や追加などは、各スプリントの終了時に議論することが一般的です。スプリントの途中で新しいことを議論することは基本的にありません。 実装に関係ある変更点や改善点がある場合、スプリントの振り返りミーティングで共有されたり、次のスプリントで取り組むかどうか決めます。

Kanban（カンバン）とは？

カンバンもアジャイルプロジェクト管理のフレームワークで、「リアルタイムなコミュニケーション」「作業の透明性」を重視したワークフローです。 こちらもすべての作業アイテムをカンバンボード上で視覚的に管理できます。

カンバンのタイムライン

• カンバンのボードの各列は、各タスクがどんな状況にあるのかを分類します。 最も一般的な分類に「To Do」「進行中」「レビュー中」「保留」「完了」があります。

• 各列はプロジェクトやチームのニーズに合わせて増やしたり、カスタマイズしたりできます。

成果物のリリース時期

カンバンでは、期限や設定されたスケジュールに制約があまりありません。 成果物が早期に完成した場合早期にリリースしたり、また必要に応じて遅らせたりもできます。

カンバン手法における「役割」

カンバンには定義された役割はありませんが、タスクに一緒に取り組む共同の担当者と協力することはよくあります。

カンバンの主要な指標

一般的なカンバンの指標には以下の3つがあります

• リードタイム（タスクの開始から完了までにかかる時間）

• サイクルタイム（アクションアイテムが要求されてから、配信されるまでの時間）

• その他の累積指標（ボトルネックを見つけるため、各ステージの総タスク数などを見る）

カンバンにおける変更の頻度

カンバン手法は変更に対して高い柔軟性を持っています。優先順位に基づいてタスクを追加・削除するなど、いつでも変更を検討しやすい管理手法です。

• プロジェクトチームの全メンバーが、プロジェクト全体を把握できるカンバンボード

• 一部のステージの閲覧を経営陣だけに制限するなど、業務に合わせた細やかなセキュリティ設定

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ScrumとKanbanの違いは何か？

２つのフレームワークについてだんだんとわかってきたでしょうか？以下にスクラムとカンバンの特徴をまとめます。

どちらが自分のプロジェクトに適しているか？

プロジェクトに最適な手法を選ぶためには、以下の要因を考慮するとよいでしょう：

• 仕事のタイプ：仕事が予測可能か予測不可能か、柔軟なアプローチか構造的なアプローチがいいか。前者ならカンバン、後者ならスクラムを。

• チームの経験と専門知識：チームメンバーがどのくらい、どちらの手法に慣れているか。どちらがチームにとって快適か？

• 組織の文化と価値観：あなたのチーム、組織には変化への適応力があるか、それとも構造的で規律正しいほうか。前者ならカンバン、後者ならスクラムを！

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